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ことばの魔術師からの贈り物-----オグ・マンディーノ
ことばの魔術師からの贈り物
オグ マンディーノ Og Mandino 前田 和男 / ベストセラーズ
ISBN : 4584186375
為になる度: ★★★★☆
満足度:★★★★☆
総合評価:★★★★☆
(しかし、私的には、ストーリーよりも、もっとオグ・マンディーノの言葉が聞きたかった)

パトリック・ダンの人生の指針となったエミリー・ディキソンの詩の数節。
『一つの心が悲観に暮れているのを止めることが出来たなら
私の人生は無駄ではない
一つの命がうずくのを和らげることが出来たなら
あるいは、一つの痛みを鎮めることができたなら
あるいは、気を失っている駒鳥を救い、巣に戻してあげることが出来たなら
私の人生は無駄ではない』


パトリック・ダンの人生の基本ルールとなった、ある尊敬すべき賢者の言葉
『私はこの場所をたった一度しか通らない
ここで私に出来るとよいこと、他人に示せる親切があれば、
今それをやりなさい。
それを怠ったり延ばしたりしてはいけない。
なぜならこの場所を、私は二度と通ることがないのだから』


出版社/著者からの内容紹介
『十二番目の天使』のオグ・マンディーノ最後の小説
「ちょっと疲れたな」と感じたとき、「何のために頑張るのか」と思ったとき、この本を開いてみてください。

<本編内容>
講演家のエージェント業からリタイアした初老の男性バートは、彼の美しい妻とともに悠悠自適な定年後を送ろうとしていた。しかし、自分の人生を振り返った彼は、まだ自分が燃え尽きて満足しているわけではないと感じる。そんなとき、彼はパトリックという若い男と出会う。彼はハンサムで、聞くものを魅了する言葉の力をもった講演家――人々に生きる勇気を与える言葉の魔術師だった。 バートはパトリックとエージェント契約を結び、全米をまわって講演活動をし、多くの聴衆に感動を与えるようになる。またパトリックは、キャシーという車椅子の少女と出会い、講演活動の合間に交流を重ねてゆく。しかしそんなとき、ある悲劇が起こる。パトリックが飛行機事故で亡くなったのだ。 彼が死んでから、バートの知らない、パトリックの意外な素顔が明らかになってゆく。キャシーとの意外な交流をとおして浮かび上がる、生きることの意味とは、生きるために本当に必要なものとは……。 本書は、不安になった自分の人生に輝きを取り戻してくれる、勇気づけられる言葉にあふれた、感動の物語である。



【加藤レンジャーのレビュー】
 素敵な言葉を残してくれる、オグ・マンティーの自己啓発本。オグ・マンディーノの紹介文は、こうだ。「世界で最も多くの読者を持つ自己啓発書作家」何ともオグ・マンディーノに相応しいもだと思う。彼の本を読む人は、その中から新しい何かを見つけ出し、人生をより豊かなものへと変えていく。何故そんなに自信を持って言えるのか?それはもちろん私も、その中の一人だからだ。
 本編内容は上に書いてあるとおり。なんてこと無い物語の流れ(最後以外)だが、彼の言葉が入ると全く違う。そこには、学ぶこと、学ばなければならないことがたくさんあった。
 只、私は「いつ彼の言葉が聞けるんだろう!どこに彼の伝えたい言葉が載っているのだろう!」と初めから期待していたせいか、本編の初めの流れに、退屈を多少なりとも感じた。しかしそれも、私の心がただ先走っていただけであるので、この本の評価を下げる原因にはならない。
 八章(P87)は、じっくりと読んで欲しい。これは、ことばの魔術師(スペルバインダー)であるパトリック・ダンの講演の章である。そして最後の十九章(P241)を、是非紙に写し取って欲しい。写し取った紙は、きっとあなたの人生の何処かで役に立つ。
ここに、私がメモを取った十九章の一部を書く。

ステップ1
 まず自分のことを干し草を数回齧るだけで満足している羊ではないことを認識すること。
 あなた自身の運命を自分で支配できるように、大勢の人々から自分を切り離してください。くれぐれも、他の人の考えや言動に左右されてはいけません。群れからあなたを引き離すのです。

ステップ2
 目覚めたらすぐ、その日だけを生き、その日に割り当てあっれた仕事だけをするために、自分を一日という仕切りの中に封じ込めること。
 それぞれの日を、一日という区切りの中で生きるのです。

ステップ3
 今日出会うあらゆるチャンスを捉えて、もうひと願張りすること。その日を輝かしい成功に繋げるための確実な方法は、人に期待されている以上に、より一生懸命に、より長く、真剣に仕事をすることです。
ステップ4
 今のあなたに降りかかるかも知れない災難の大半は、勇気を持ってあたれば、たいてい、それに見合うか、それ以上の恩恵をもたらしてくれると認識すること。挫折に見舞われたら、頭の中を整理して、この不幸からどんな幸いが引き出るのかと自分に問いかけてください。
ステップ5
 決して、小さな事柄を無視しないこと。失敗と成功の分かれ目は雑事に取り組むか否かであり、雑事を避ける人は失敗し、雑事に取り組む人は成功します。
ステップ6
 決して、多忙を隠れ蓑にしないこと。あなたの時間は何よりも貴重です。あなたにあるのは今日一日だけです。一分たりとも無駄にしてはいけません。
ステップ7
 人のせいで、あなたの一日を無駄にしないこと。あなたを引きずり下ろそうとする人に出会ったら、只微笑み、立ち去ってください。人は劣等感があるから嫉妬するのです。

 
 「ああ、なるほど」、と思うこと。「本当にそうなのかな?」と思うこと。きっとある筈。この七か条のどれか一つでも、「ああ!なるほど」と思った人、明日から少し意識して、一日を生きてみてはどうだろう?
 
 私はいつも迷っている。
『なんで私はこんなに頑張ってるんだろう。』---「働きマン」の祐子と同じ問いだ。
 そんな時、この本を・・この本の十九章を写し取った紙を見てみよう。
 きっとオグ・マンディーノが、「そうだね、でも君が頑張っているのはだね・・」と、優しく肩を押してくれるに、違いない。

 最後に。私が最後に思ったこと。
ことばの魔術師、それはパトリック・ダンである----と、この本の紹介にも書かれている。しかし、読み終わって今、思うことがある。
 車椅子の、聖書を持った男・・この人の言葉で全てが動いているように、私には思える。まるでキリスト、いや神のように、バートとダンを引き合わせている。また、ダンの不幸を彼は予測していた。もしかして、本当のことばの魔術師は、彼なのではないだろうか。そうでなく彼は、そのようなものを既に超越した存在なのだろうか。

【関連情報】
 その他オグ・マンディーノの作品
この世で一番の奇跡
オグ マンディーノ Og Mandino 菅 靖彦 / PHP研究所
ISBN : 4569579167



人生は素晴らしいものだ
オグ・マンディーノ 伊藤 知子 / PHP研究所
ISBN : 4569624502



幸福への43の贈り物―オグ・マンディーノの世界
菅 靖彦 / 世界文化社
ISBN : 4418015205
by katoren | 2005-06-22 16:02 |  【読書で学ぶ】小説・哲学
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