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【啓発本】 人を動かす || デール カーネギー

人を動かす 新装版
デール カーネギーDale Carnegie
山口 博 / 創元社
為になる度:★★★★★
総合評価:★★★★★

-----『原因と結果の法則』と並んで、世界の啓発本の原点となるもの------
(関連情報:『原因と結果の法則』レビューby加藤レンジャー)


死ぬまで他人に憎まれたい人は、人を辛辣に批判してさえおればよろしい。
私はそうならない、それだけのことだ。

理解と寛容は、すぐれた気品と克己心を備えた人に初めて持ちうる得である。

自己の重要感を満足させる方法は、その人物がどういう人間であるかを表す。

他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場から物事を見よう。

幸福は、外的な条件によって得られるものではなく、自分の気持ちの持ち方一つで、どうにでもなる。

できれば、人より賢くなりなさい。
しかし、それを、人に知らせてはいけない。


【加藤レンジャーからの一言】
「うーん、やっぱ最後にはここなんだよなぁ…」
沢山の自己啓発本を読んでいて、加藤は一つの事を理解した。

-必ず、最後には最初に戻っている-

どれだけ斬新な哲学を説いた人も
どれだけ難解な開発に成功した人も
皆、最後には口をそろえて言うのだ。
私が幼い頃に、幼稚園の先生に教わったような言葉を。

Amazon.co.jp
あらゆる自己啓発本の原点とも言うべき本書は、1937年に初版が発行されると瞬く間にベストセラーとなり、累計で1,500万部を売り上げた。『How to Win Friends and Influence People』は初版の発売当時と同じように今日でも十分通用する内容となっているが、その理由は、著者のデール・カーネギーが決して変わり得ない人間の本質を理解していたからに他ならない。著者の信ずるところによれば、経済的成功の15パーセントは専門的知識から生み出されるが、残りの85パーセントは「考えを表現する能力、リーダーシップをとる能力、そして人々の熱意を引き出す能力」によるものとなる。人と接する際の基本的な原則を基に、自分が重要視され、評価されていると相手に感じさせるようなスキルを教示する。また、操られていると相手に感じさせないようにしながらつき合う基本的な手法にも重点を置いている。カーネギーは、誰かに自分が望むことをさせるには、状況を一度自分以外の視点に立って観察し、「他人の中に強い欲望を喚起させる」ことで可能になると述べる。更に本書を通じて、相手に好かれる方法、自分の考え方に相手を引き込む方法、相手の感情を害することなく、あるいは恨みを買うことなくその人の考え方を変える方法を学ぶことができる。例えば、「他人にその考えが自分のものだと感じさせる」方法、そして「まず自分の失敗について語ってから他人を批判する」方法などである。また、歴史上の人物、産業界のリーダー、そして市井の人々の逸話を交えながら、著者の論点が分かりやすく解説されている。(Joan Price, Amazon.com)

出版社/著者からの内容紹介
人間関係の古典として、あらゆる自己啓発本の原点となったD・カーネギーの名著。常に机上において読み返す本として、重厚で華麗な装丁にあらため、四六判・上製(ハードカバー)とし、本文も読みやすく組み直した.
本書は、社会人として持つべき心構えを興味深い実例をもって説得力豊かに説き明かして類書の追随を許さない。深い人間洞察とヒュウマニズムを根底に据えた感動の書。聖書につぐ世界的ロングセラー。

内容(「BOOK」データベースより)
社会人として身につけるべき人間関係の原則を具体的に明示して、あらゆる自己啓発本の原点となった不朽の名著。



【加藤レンジャーのレビュー】

 私たちがより豊かに生活するために、大切なのは何なのだろう。(「豊か」の定義は人それぞれだろうと思うのだが)それは、難解なことを理解できる頭脳でもなく、それを発見できる目でも無い。本当に大切なのは、人間として当たり前の事…つまり、幼稚園の先生が教えてくれた事なのだ。社会で大切になることも、全てここにつまっている。

 本編の目次からいくつかの【人を動かす】項目をピックアップする。
 特に加藤が共感したものをとする。(というか、ほぼすべて共感しているのだが)

・盗人にも五分の理を認める
・人の立場に身を置く
・誠実な関心を寄せる
・笑顔を忘れない
・名前を覚える
・聞き手に回る
・関心の在処を見抜く
・心からほめる
・議論を避ける
・誤りを認める
・穏やかに話す
・”イエス”と答えられる問題を選ぶ
・思いつかせる
・美しい心情に呼びかける
・演出を考える
・自分の過ちを話す
・面子を失わせない
・期待をかける
・激励する
・長所を認める
・あらさがしをしない
・ささやかな心づくしを怠らない
・礼儀を守る

 特に共感したのは「笑顔を忘れない」と「議論を避ける」。
 「笑顔を忘れない」の理由は、笑顔セラピーのレビューを参照していただきたい。加藤が笑顔に固執している理由をつらつらと書いている。
 「議論を避ける」を選んだのにも理由がある。感情の入ったほとんどの議論は、纏まる事が難しい上、話を続けているうちに初めの意見を動かせなくなる事が多く、問題を見る視点も固定される事が多い。(もちろん、議論が必ずしも必要な場面というのもあるのだが、今、それは別にして)
 テレビでよく目にする国会議員の議論で、初めに意見を大きく言ってしまった為に後から意見を変える事ができなくなる、という人がいる。そういった人は、面子ばかり考えて自分が矛盾した意見を言っていることすら気づかず、結果的に、周りやテレビの前の私たちが冷めた目をして見ている、という事になるのだ。これでは、問題解決にならない。むしろ問題解決と反対方向に行かざる得ない。それだけは、どうしても避けなければならない。
 じゃあ加藤は議論をしないのか?と言われると、それはノン。議論はする。「なんだお前言ってること違うだろう」と思うかもしれないが、少し私の話を聞いてほしい。
 私は議論の前に人を選ぶ。『この人は議論に、私情や感情論を持ち込まない』という人が、あなたの周りには居ないだろうか?そういう人と議論をすることをお勧めする。というか、議論が嫌いだと言う人は、一度、そういった人と本気で議論をして欲しい。最終的に、なんと自分の考えが纏まる事が多いのだ!!
 それに、こういった、「自分が本気で議論する相手・議論できる相手」というのは将来的に必要であると、加藤は思っている。(たぶん。たぶんです。)

   :

 この本は、上に挙げたような事柄について詳しく説明がされており、(具体的な対処法等)それぞれの事柄について、事例もいくつか挙げられている。その事例がまた興味のあるものが多く、大変勉強になる。あなたが今まで名前を聞いた著名人が何人も出てくる。私の尊敬するルーズヴェルトやリンカーン等の話も事例として載せられており、本当に楽しませてもらった。リンカーンの過去の話を見ていたときなどは、失礼ながら、だいぶ笑ってしまった。
 このように、ほぼ全ての文章が事例によって成り立っているのは、啓発本として珍しいタイプなのではないだろうか?少なくとも私はそう感じたし、そこに新しい面白さを見いだした。そのお陰だろうか?何度も読み返したい一冊になった。内容も素晴らしく、人生のうちで「弱ってるかも」という時や「迷ってるかも」という時に読むのがよいのではないかと思った。あと、人間関係で悩んだときにも、これから一生手に取る一冊だとも思った。いや、本当に良い本だ。

なぜ、フランクリン・ルーズヴェルトが人の名前を覚える努力をしたのか?
なぜ、アンドルー・カーネギーが、何よりも人望を大切にしたのか?
なぜ、オグ・マンディーノが口をすっぱくして『人の為に』と言い続ける?
なぜ、デール・カーネギーがこんなに当たり前のことをつらつらと並べる?
なぜ、キリストが
「すべて人のせられんと思う事は、人にもまたその如くせよ」
と、説いたのか?そしてそれが何故今や【世界の法則】と呼ばれるのか?

それは、当たり前のことが一番大切だからだ。

@最後に@
 人を動かす、それはまず、自分を動かすことなのだと感じた。
 自分が変って初めて、周りが変わり、人を動かすことが出来るのだ。

 他人にばかり変化を求める人の周囲が、その人に対して冷たいのは当たり前のことであり、自らを省みる事を忘れない人の周囲が、その人に対して温かいことも、当たり前のことなのだ。

 この本を読んだ別の友達の一言を最後に。(面白かったので)

 「まぁ、要は、グチる前にテメェが変ってみろって事でしょー」

 をぉ、そ、そそそうですね!!(笑)
by katoren | 2005-08-02 14:06 | □お勧め(総合評価★五つ)
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