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【小説】4TEEN || 石田 衣良
4TEEN
石田 衣良 / 新潮社
満足度:★★★★☆ あと一押し!!
総合評価:★★★★☆


-----あなたもきっと、一度は味わったことのある、あの、とても懐かしい気持ち-----

今から何年かして、自分が駄目そうになったら、今日のことを思い出すことにしよう。

あのときすごく良い奴らが四人いた。自分だって人生の最高の時は、
あのメンバーに入れるぐらい絶好調だったって。

今の弱さや不安を忘れないようにしよう。

【加藤レンジャーの一言】
私にもこんなことがあったなぁ
あのころの私が居て、今の私が居るんだぁ

あの頃無くしては、加藤レンジャーは語れないよね(笑)

出版社/著者からの内容紹介
 地下鉄の階段を上がる。目の前にずらりと並ぶもんじゃ焼き屋。裏道に入れば木造の長屋が残り、そして目線を上げれば、そこにはスカイラインを切り取る超高層マンションが。それらがみんな奇妙に調和して共存する町、それが僕らの町、月島。
●個性豊かなキャラクター●
 180センチ、100キロの巨漢、ダイ。
 ウェルナー症候群という難病のナオト。
 勉強が得意なジュン。
 かっこいいことを言ってもどこかイケてない、テツロー。

 月島中学に通う中学二年生四人組が一年間で経験する様々な出来事。入院中のナオトの許に大まじめで「エンコー」の女子高生をプレゼントし(「びっくりプレゼント」)、過食・拒食を繰り返す同級生とつきあい(「月の草」)、自転車旅行と偽って2泊3日で新宿の町を探訪し(「十五歳への旅」)……。この町でぼくたちは恋をし、傷つき、死と出会い、いたわり合い、そして大人になっていく。
 その他「空色の自転車」「大華火の夜に」「月の草」「ぼくたちがセックスについて話すこと」「飛ぶ少年」の、瑞々しい八つの物語で描く今どきの十四歳、青春ストーリー。

内容(「MARC」データベースより)
銀座から地下鉄で10分、長屋ともんじゃ焼きと超高層マンションが調和して共存する町・月島。この町で僕たちは恋をし、傷つき、死と出会い、そして大人になっていく…。14歳の中学生4人組が出会った8つの瑞々しい物語。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
石田 衣良
1960年東京生れ。成蹊大学卒業。広告制作会社勤務後、コピーライターとして活躍。97年『池袋ウエストゲートパーク』でオール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー



【加藤レンジャーのレビュー】

 『池袋ウエストゲートパーク』の石田衣良。あまり世間で騒がれている本を手に取らない加藤だったりするのだが、ある女性OL雑誌で、本好き女優の酒井若菜が「お勧めの一作です」と言っていたので、何となく手に取ってみたのだ。手に取るのがえらく遅いですが(笑)
 話を聞いてみると、直木賞受賞作だとか。なるほど面白いはずだ。一般向けかな?スラスラと一気に読めるし、言葉も理解しやすく、ああ、大衆文学、といった感じだった。何よりも、現実世界でも居る女優さんの名前やアーティストなどが沢山出ており、親しみを感じることができたし、同調することがすんなりとできた。その中で、この石田衣良という人はなかなかの書き手さんなのでは?と思った。最近、強くそう思ったのは、乙一と石田衣良かな。(乙一は発想力、石田衣良は構成力・・かな?)ただ、この作品、読む人の年齢によって全く理解できなかったりするだろうな、とも思う。
 
 加藤が一番好きだった作品は、『飛ぶ少年』。カバーの「14歳は空だって飛べる」を実行した男の子の話(笑)これは本当楽しかったし、石田衣良おもしろいんじゃない?(笑)と実感した一話だった。
 14歳の少年の心情を綴ったこの作品。オナニーの回数を競ったり、アダルト系の話題をコソコソとしていたり大人の遊びに興味があったり…14歳の男子の考えそうなことだ(笑)楽しくて楽しくて、加藤は何度も吹き出した(笑)若いって、いいね!!この内容に共感できなかったり、幼稚だと思う人もいると思う。でも単純に、加藤は好きだな、っていうだけのこと。

****

 内容は、作品紹介に書いてある通り、主人公と友達三人…合計四人のグループが一年間に出会った、八つの瑞々しい物語だ。中学生といえば、遊び盛りで、考えていることと言えば、昨日のこと、今日のこと、明日の事くらい。(私の場合は、です)そうだ世界が昨日今日明日で構成されていた時代だった。とにかく私の中学生活は、部活と遊びに明け暮れていたように思う。というか、今の若い人たちなら、ほとんどの人はそういったものではないだろうか?(笑)<---(一昔前では考えられな事だと思うから、「読む人を選ぶ」とは思う・・)ゲーセンでお金を使いまくってお金が無くなったり、当時流行っていた『テトリス』のお陰で、今の携帯に付いてるテトリスの得点が異常に高かったり、つまらないことで喧嘩したり、仲直りしたり…きっと辛いことも沢山あったのだろうが、今思えば楽しいことしか思い出せない。これが中学生…14歳なのだ。

 きっとあなたもこの本を読むと、昔を思い出して、甘酸っぱく、かゆくってくすぐったい気持ちになるに違いない。ただの青春本とはひと味違った楽しさもあり、きっと、あなたを楽しませてくれることだろう。

 この本の主人公は、「僕が怖いのは、皆が変わってしまうことだよ」と言っていた。
 私も、この主人公同様、変わってしまうことはとても怖い。
 けれども、私は変わる。どんどん変わる。自己啓発をして、どんどん前に進んでいく。理由は一つ、そうしている自分が大好きだからだ。
 でも、大切なところは変わらないで居たい。というか、大切なところを持っていきたいと思っている。例えば皆で集まったときに素直に楽しいと思う気持ちや、馬鹿みたいなギャグで幸せを感じたりするアホみたいな私とか、そういったことも、私は一緒に連れて、変わっていきたいと思っている。きっと、この小説の主人公も、私と同じような思いをして大人になっていくのだろう。あなたも。

 じつわ、私も中学三年生の頃、仲の良い四人の友達がおり、毎日毎日飽きもせずに語り合っていた。学校のこと、将来のこと、テレビアニメのこと、漫画のこと、好きなキャラクターのこと。沢山のとりとめもない話をした。学校に行くのが毎日楽しみで、寝るときは「明日は何の話をしよう!昨日のテレビの話をしようかな!へへへっ!!」と、ワクワクしながら眠りについていた。
 けれども皆違う道を歩み、今では一人一人自立した大人だ。改めて考えると変な話だが、中学時代に同じ机に座って同じ勉強をしていた私たちが、五年後には全く違う分野の専門知識を持って、その分野でこれから食っていこうとしているのだから。

 中学校三年生の秋の事。

私「ねー、グループ名付けん?うちらのグループ名!!」

皆「ええね!何にする?!」

私「KIRA!!キラ!」

 何故、あのとき私はキラと言ったのか、今ではよく覚えていないのだが、きっと、キラキラしてる今を、ずっと忘れたくなかったとか、ニュアンス的にキラってかっこいいと思ったとか、当時の私が考えてた事なんて、その程度(笑)
 けれど私の携帯電話のグループ検索画面には、【KIRA】というグループが設定されていて、そこには何年たっても変わらず、三人の名前がある。
 トトちゃん
 あずまん
 みずあき
 そしてそのグループの着信音には、三人が大好きなRAG FAIRの曲が設定してある。

・・・・って、こういったことを思い出してしましました、加藤レンジャーです。

 「ああ!!いいな、青春!
 あの時代に負けないくらい、今日をもっと楽しい日にしようっ(●^U^●)」

 そんな気持ちにさせてくれる一冊です。
 あなたにも、是非。この気持ちを。
by katoren | 2005-08-12 13:29 |  【読書で学ぶ】小説・哲学
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